HOME/三味線のアルバム VOL.21-30

 

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(21)先代の三味線1 (中棹紅木)

ある時、珍しい依頼がありました

    

お父様が演奏していた三味線を家の中で発見したとのこと。

    

お父様は数年前に亡くなっていました。

    

このため、10年以上メンテナンスされておらず、三味線は演奏できる状態ではありませんでした。

 

一ヶ月ほどかけて相談したところ、

手放すのではなく、修繕して三味線普及する活動に利用してほしいとのことでした。

 

当初、高級車が買えるくらいの値段だったと思われる良い三味線でしたので、

修繕はより慎重に行いました。


修繕が終わる頃、依頼者宅の仏壇の前でこの三味線を演奏させていただくことにしました。

 

そして納入の日、私は奏者とともに、依頼者宅を訪問させていただき、お父様の思い出の曲を演奏させていただきました。

現在は若手の奏者に時々貸し出され、再び活躍してます。

この三味線の音色

(22)先代の三味線2 (細棹紅木)

 

上述のご依頼にはもうひとつありました。

 

先代の方は中棹三味線2丁と細棹三味線をお持ちでした。

中棹で民謡や津軽三味線、細棹で小唄や端唄を演奏されたいたようです。

 

本当に熱心に練習されたいたようで、ところどころに大切に利用されていた証がありました。

 

三味線がどのように使われていたかは、専門家が見れば一瞬でわかります。

ぜひ、自分に合った三味線を大切に使ってほしいと考えています。

 

 

   

この三味線も若手の奏者の方に貸し出され、新たな活躍をしています。

この三味線の音色

(23)柳川三味線 (極細棹紅木)

この三味線は、おそらく100年以上前の三味線で、京都の柳川流の三味線だと思われます。

 

品のある美しい細工がしてあります。

 

この三味線は棹幅1.8cmですので、現代では扱える人は少ないかもしれません(びっくりする細さです)。


この三味線は胴がとても薄いです。

このため三味線全体が明らかに振動します。


修復依頼者に「鳥肌が立つ」と評価をいただきました。


大切に修繕しながら、次の世代に引き継いでいきたい作品です。


この三味線の音色

 

(24)道を歩みだす時 (太棹紅木)

「出会ってしまったので、後戻りできない」

 この三味線を選んだ方の発言です。

 

 この三味線を選んだ方は、いつも、世界から少し隠れていました。

 

 演奏中もそうでした。演奏は上手なのですが、若干隠れているのです。

 それは自分でもなんとなく感じていたようです。

 

 長年のおつきあいの方です。

 小物を買いに来てくれたついでに、珍しく三味線試奏したいと言いました。

 そして、その週に製作の目処が着いたばかりの、仕上げも終わっていないある三味線を試奏し、出会いました。

 

 その方は目の色が代わり、心臓の鼓動が私にも聴こえてくるような雰囲気でした。心身が動いたのです。

 

 その方が、新しい三味線で、ある演奏会で初披露したそうです。

 聴衆者の一人が涙を流したそうです。世界から隠れていた彼が少し開いたのだと思います。


     

 彼はこれをきっかけに、自分の道を歩み出すでしょう。

 

この三味線の音色

 

 

(25)良き道具とともに (細棹紅木)

最初から自分に合った良い三味線で歩む人は、ほとんど長く続きます。

 

もちろん最初は「無難で始めやすい選択肢」も大切です。

しかし、「過去の無難な選択」で後悔している人もいらっしゃいます。

 

私は多数の奏者の方を長年サポートさせていただいていますが、

最初の選択はとても大切です。安全を優先しすぎるとのちのちの後悔になる場合もあります。

 

この三味線を選んだ方は、このような点を大切にされていました。

 

勇気が必要だったと思いますが、最初から妥協なく自分に合った三味線を選択されました。

 

おそらく、日常でもそのような選択を繰り返しているのだと思います。

 

ぜひ、最初の一歩目を大切にしてください。

 

この三味線の音色

 

 

 

(26)祖母の三味線 (細棹紫檀)

家にあった先祖の三味線を修復して三味線を始める方がいます。

三味線を始めると、自分で思っているより、幼少期に三味線に影響を受けていることが、後からわかります。

 

この三味線の方はまず「三味線」を始めようと思いました。

三味線を初めて見ると、なぜか懐かしい。そして、しばらく続けると「家の倉庫に祖母の三味線がある」とのこと。

しばらくメンテナンスをしていなかったので、大掛かりな修復になりましたが、無事三味線として再生できました。

 

三味線を始める人はおおよそ、先祖や親類が三味線を演奏していたか、幼少期に三味線の影響を受けた人です。

そして、半数以上の方は、三味線を初めてしばらくしてからその事実に気づいたり、思い出したります。


 

自分がなぜ、あらゆるある多数の楽器の中で「三味線」に選ばれたのか、

そんな問いを持っていただくと面白い発見があると思います。


この三味線の音色

 

(27)100年間の変化 (細棹紅木)

この三味線は当店に遊び来てくれた方の多くの方に試奏いただいています。

 

100年前の三味線の質感や音色は現代の三味線とどのように違うか体感していただきたいからです。

 

こればかりは、試奏していただく他にありません。

いくら、最新のテクノロジーを利用してもお伝えすることはできません。

 

いつも、この三味線で「余韻」「間(ま)」「自然」などの繊細な音を体感いただいています。

日本の美意識をお伝えするのに最適な三味線です。

 

ぜひ、多くの方に試奏いただきたいものです。

 

この三味線の音色

 

 

(28)太棹の源流 大正時代の三味線 (太棹 紫檀)

都々逸というジャンルの演奏があります。

 

諸説はありますが、名古屋の熱田神宮の近くに神戸(ごうど)という地名があります。

 

都々逸の中に「神戸節」があります。

名古屋発祥で流行った曲だと言われています。

 

太棹というと現代では津軽三味線というイメージですが、もともとは義太夫、浪曲、都々逸を含めたや伝統ジャンルで利用されていました(諸説あります)。

 

なかなか聴く機会も、触れる機会もないと思います。

ぜひ、聞いてみてください。

 

この三味線の音色

(29)最短記録 3分で決定(太棹紅木)

おおよそ半数以上の方は「最初の直感」に戻ります。

おそらく、自分の主題は決まっているのでしょう。

 

この方は当店ご入店から3分で「私これにする!」と決めました。

さすがに、私ももう少し検討したらいかがですかと提案しましたが、明確な直感があるようです。

三味線の重心とバランスが自分に相性があるか確認し、開放弦を鳴らして、決定しました。

 

「この子が私を呼んでいる」と感じたようです。

たしかな直感で選択する人が後々後悔したのを見たことがありません。

 

この方は、今、この強い直感で結ばれている三味線とともに歩んでいます。

この先どんな道が待っているのか私も楽しみにしています。

 

この三味線の音色

 

 

(30)江戸時代の三味線 (細棹)

江戸時代の三味線を修復しました。

動画は2019年3月10日「三味線の美意識と音色」コンサートで披露させていただいたものです。

演奏の前に「きくということ」を田中が解説しています。

詳細なレポートにご興味がある方はお気軽に資料請求ください。

 

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なお、コンサートの全内容は以下で販売しております。

 

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この三味線の音色