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三味線店 店主 写真
 

【自分の音色との出会い】

 

 早朝、静寂の中の作業台。

 

 定位置に座り、いつもの姿勢で、いつもと同じように耳を澄ます。

 

 「自分と世界に耳を傾ける」 

 

 そこから聴こえてくるのは「かすかな振動や脈動」。

 

 それをじっくり味わいながら、深く呼吸をし、心と体を安定させ、感覚を研ぎすます。


 そして、祈るようにして仕事に触れ始める。


三味線の分解図
 

【私の修行時代】

なぜ 三味線はこんなに不思議な音が生じるのか


 私が若き頃、大切にしていた問いです。

 

 様々な先達にこの問いを投げかけましたが、

その理由はもちろん、ヒントすら誰も答えてくれませんでした。

 

 私の初期の三味線の仕事は、ほとんどが古い三味線の修復/修理でした。

 様々な年代の、様々な職人がつくった様々な三味線を日本で一番触れてきたと認識しています。


 江戸、明治、大正時代、戦前の三味線、戦後の三味線、近年の機械量産三味線、

 貴重な名器と呼べる一部の本物や、沢山の残念な三味線に出会ってきました。

 

 私は、三味線のことは無数の実際の三味線(実物)から学びました。

 様々な三味線を分解し、修復、修理をしてきたことが幸いしました。

 

 もちろん経験や勘、感覚だけに頼るわけではありません。

 最先端の技術はもちろん導入し、科学的なアプローチも大切にしています。

 

 長い年月と多数の経験をすることで、自分にとって思ってもみなかったことが得られました。


 いろいろなことがある日、突然「考えなくても直感的にわかるようになった」「モノと対話ができるようになった」「私を通過するようになった」ことです。

 

 それは、奏者の方が、長年の研鑽の末、得られる心境と似ているかもしれません。

 

100年前の三味線

 「音楽や楽器に出会うことは、自分に出会うこと」に通じています。

 

 多数の奏者の成長と出会いをサポートさせていただいている私の確信です。

 

 「自分の音色に出会うこと」 それは私自身のテーマでもあります。

 

 われわれは、その信念を胸に刻みながら、

 これからも奏者の皆様の期待を超えるモノを創り続けます。

  三萃園店長 田中