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(2)持った瞬間の出会い (中棹紅木)

当時学生の女の子が購入した三味線です。

その女の子は「何も続かない子」でした。性格もおとなしく、自己主張も控えめです。

しかし、三味線だけは続きました。数年後、自分の三味線を選ぶことになりました。

 

多数の三味線があった中で、この三味線を持った瞬間「私これがいい」と

自己主張しました。音を鳴らす前に「自分に合った三味線」に出会いました

しかし、最高級の部類に入る三味線で高額です。親御さんは少し困った表情でした。

 

出会うと不思議なことが起きる。経験上ですが、よくあることです。

その後、その三味線は女の子の親戚の方が購入してくれました。

その女の子の三味線発表会を見て、彼女の熱心な姿に感激したことが発端でした。

 

その女の子は今では大人の女性に成長しつつあります。

なぜその三味線に心を惹かれたのか、それが本当にわかるようになるのは

10年先かもしれませんし、20年先かもしれません。

何も続かなかった私がなぜ三味線を続け、なぜこの三味線に出会ったのか、

いずれ気づく日が音づれ(訪れ)るでしょう。

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