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(34)一生の趣味として (中棹紅木)

この方は初心者のときから"余韻"や"奥行き"が扱えました。

 

三味線選びは"余韻"の相性で選んでいました。とても印象的です。

 

いずれ"余韻"で聞かせる。

 

そんなレベルの高い演奏に向かっていかれると予感しています。

 

奏者へインタビュー(40代 男性)

 

・なぜ三味線を?

 

20年くらい前に津軽三味線のブームがあり、

その時の記憶があったのですけど、そのときは他の趣味が、アウトドアのスポーツですけど、

楽器まではできませんでした。

 

40歳を超えて体力的に落ちてきて、

母もことをやっていますが、実家に帰省した時にそういうのを始めてみてはと。

じゃあ三味線でもやってみようかなと。

 

・なぜ三味線が続いたのでしょう?

合っていたのでしょう。

飽きません。毎日弾けます。

毎日一時間弾きます。

それ以上は疲れるのでやりませんけど。

生活の一部になっています。

その分、外に出歩かなくなりました。

 

新しい曲は弾けるようになると楽しいですし、

毎日弾きますけど、毎日音が違いますから。

自分なりにいい響きが出るといいなと。

毎日違います。

なんで今日は違うかなとと感じながらやります。

それが飽きさせない一つになっています。

 

・自分でいいなという響きとの出会いとは

あまり頭では考えない状態で、

集中するというか、無心というか、

音が頭に入ってくるだけという感覚になってきますね。

教室では撥の持ち方から構え方まで基本をしっかり教えてもらえるからできるのだと

思うのですけど、

最初は順番にツボをひたすら覚えて、音を覚えてをひたすらやっていましたね。

ひたすら繰り返すことが、やっているうちに、無意識の動きが出てくるので、

言葉にすると難しいのですが。

 

・これから三味線とどう付き合っていきますか?

一生の趣味というか、三味線を弾いていければいいと思っているので。

なんて言ったらいいんだろう。難しいな。

 

一曲一曲全く違います。譜面に表れないところを学ばなくてはいけないので、

先生から教えてもらわないといけません。

 

同じ音でも一の糸、二の糸、三の糸でツボの位置が違っても同じ音が出るのですけど、

どの糸でどこを押さえるのかというのは意味があって、必然性があるので、

そういった点も先生に教えていただなければなりません。

 

同じツボでも人差し指なのか薬指なのかで差があり、それもそれぞれに意味があることなので、覚えるのが大変です。

余韻とか間もちょっと弾いたくらいでは身につきません。

 

スピーカーの音楽と舞台での生音と自分の音が違いますので、

自分で弾いて聞こえるものと振動で伝わってくるものを感じると奥深いものがあります。

 

ずーっと一人で弾いているとものすごく耳が敏感になります。

 

遠くの音が近くで聞こえることがあります。

人の声が聞こえたり、たまにどきっとするときがありますけど。

 

幽霊がいるのかと。そういう感覚もありますね。

和楽器の独特な感性なのでしょうね。

 

やっぱり、マンツーマンで呼吸というか

先生との呼吸を合わせて弾くことの大切さがあります。

 

三味線をやっていたらタバコを吸う気にならなくなりまた。

 

老後を考え、身体を大切にしようと思うようになりました。

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